私は仏壇 ( 5 ) お供物

奥様はご飯を炊かれると仏様にお供えをされます。下さんは「豆入り玄米ご飯」を食べられますので、お供えされるのも「豆入り玄米ご飯」です。

仏様がこんなことを語り合って見えました。「今時、こんな豆入り玄米ご飯とは珍しいなぁ。戦後は、食糧難で白いご飯ではなく、麦を入れたり、さつま芋や稗や粟が入っていたなぁ。今回の豆入り玄米ご飯は、初めて食べるなぁ。身体には良いだろうけれど、よくまぁ!続けて食べられるものだ。」と感心して見えました。

先日は叔母さんの49日の法要ということで、下さんがお参り行かれ、お餅と饅頭をいただいて見え、お供えされました。

下裏家の家訓でしようか?戴いた物は必ず仏様にお供えするという、しきたりになっています。

先代の仏壇さんがこんなことを言っていました。

「下さんの子供の頃は、中々饅頭を食べることはなく、お供えされた饅頭を早く食べたくて、お供えすると直ぐに、鐘を叩き下げてしまわれた。仏様が食べようとした途端に、持っていってしまうので、みんな苦虫を噛んで見えた。」と言って見えました。

それに引き換え今の時代は、お供えの饅頭など余り喜んで食べられない。孫が来たので奥様が饅頭をやると「要らない」の一言! 美味しい物が溢れた時代になると、物の有り難みが薄れて行くようです。

                  続く

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青空に鯉のぼりが泳いでいました。飛騨の「端午の節句」は、6月5日です。