変化 44. 活性化事例「総合病院」 ⑷ 全職員研修開始

この総合病院では、5月の連休明けから、全職員を60人づつ、6チームに分け、参加者が一つの部門に集中しない様に配分し、3時間の「全職員研修」を開始しました。

この研修でも、資料保管用として「ファイル」に、表には「夢を叶える宝物と名前」裏には「人生稲のごとし実りの秋を信じて歩む」と筆で書き、全員に配付しました。

そして研修の結果は「第○全職員研修報告書」とし、内容は出来るだけ詳細に記載し配付しました。この「研修報告書」を作成する目的は「研修の戻りを防止するため」です。

この第1回の研修では「活性化研修の概要・予定説明と樽の組み立て、問題点の抽出」と最後に「研修レポート」を書いていただきました。

初めての、樽の組み立てに、皆んな目を輝かせ、ワイワイ言いながら、和やかでしたが、「問題点の抽出」に入ると、樽の組み立ての時とは雰囲気が大きく変わり、少し緊張感溢れた感じになりました。それは当然です。「院内の問題点を一人最低3件は出して下さい。」とお願いし、ポストイットを一人5枚づつ配付したからです。

最初は、なかなか筆は進みませんでしたが、暫くすると、全員の筆が進みはじめてのです。それを直ぐに回収を始めました。まあ!次から次と出るわ、出るわ、回収に大忙しで、嬉しい悲鳴を上げました。

その総枚は4,000枚近くに達ました。そして同種分類し、集計しますと、その割合は次の図の様になりました。

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余りにも「仕組み」の割合が高いのに、参加者からは驚きの声が上がり、看護師長からは「看護協会の看護手順書では、問題は解決しないわ。やはり、この病院に合った看護手順書を作らなければダメね。皆んなで作りましょう。」と思いもしなかった言葉も出ました。

これには、院長も驚かれ「こんなに沢山の問題点が出るとは夢にも思わなかった。これだけ皆んなが、問題意識を持っているとは、本当に驚きです。」と大喜びでした。

沢山の「問題点」が出、それが「仕組みの不備」により、発生しているということを、初めて気付いたのです。この気付きが「意識改革・活性化の原点」です。

                 続く

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