変化 84. 行政の仕組み見直し 第9STEP 「全職員研修」⑵ 問題点抽出

この段階では、「行政管理ソフト」が出来ていませんので、「ポストイット」を使用し、問題点の抽出を行います。このポストイットは一人5枚配付し、足らなくなった人には、直ぐに補充するようにします。

最初は中々参加者の筆が進みません。何故なら、「こんな事を書いて、後から問題にならないのか?」など不信感があるからです。この不信感という高い厚い壁が行手を遮ります。

この不信感という壁を打ち破らなければ、一歩も前に進むことは出来ません。この不信感を短時間で破るには、長年のコンサルの経験知が役立ちます。この不信感を削除するのが、コンサルとしての私の仕事です。この問題点を出す雰囲気は、業種やお客様によっても違い、それをどう乗り越えるかも大きな課題の一つです。

問題点を書いた人から直ぐに回収します。それを当社の社員が集計をし、「現在何枚です!」とリアルタイムで報告します。「はい!目標の半分に達しました。」「はい!10枚書かれた方も見えます。」などと書きやすい雰囲気をつくり上げて行きます。その時間は30分以内と設定しています。

過去に出された平均枚数は一人6枚です。事例とした総合病院では、4000枚近くになり、一人当たり13枚を超えました。凄い問題意識が生まれたことになります。

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この出された問題点は、3チームに分け、各々のチームが方眼紙を使用し、「組織・意識・仕組み」に3分類します。この分類を何回か繰り返さなければ、正しい分類は出来ません。終わると仕組みの問題点が如何に多いかを、ポストイットで確認し、理解することが出来ます。

次の表は総合病院での「組織・意識・仕組み」の分類基準です。

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問題点の多くは、上司の責任や他にあると思っていたことが、そうではなく、自分達が仕事をしている「仕組み」にあることに「えー!本当」と驚きの声も上がります。これも樽の組み立てと同じように、ポストイットで問題点を出すことで、「体感」という大きな「気づき」が生まれます。

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このポストイットで出された問題点は、全て同種分類に整理しなければなりませんし、「仕組みの問題点」は、各種業務などに分類すべきですが、時間の関係で、「組織・意識・仕組み」の3分類までで研修は終了します。

この出された問題点は、当社で保管し、この最終分類・分析は「管理チーム」が行い、報告することになります。

この研修結果は、当方でまとめ「研修報告書」として、参加者全員に配付します。この研修報告書の作成・配付は、研修の戻りを防ぐことが最大の目的です。この研修には必ず参加するようにします。

*この「変化」のブログの「44・45回」も参考としてご覧下さい。

                続く

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