卒業 38. 問題点抽出

翌年3月に契約を結びコンサルを開始しました。この病院という業界は、ドクターをはじめ、看護師・レントゲン技師など、多くの職員が国家資格を持つ特殊な業界です。

そんな中、ドクター研修で強烈なパンチを受けました。このドクター研修は、2回に分けて行いましたが、1回目の研修で、ドクターから「医療の専門家でない方が病院のコンサルなど出来るのですか?」と指摘されたのです。その指摘に一瞬ドキリ!としましたが「ご指摘の通り、医療業界は全くの素人ですが、活性化と仕組み作りのコンサルは長年取り組んでおります。この経験から活性化と仕組み作りは、医療業界でも製造業など、どんな業界でも基本的に同じと考えます」と応えましたが、その雰囲気は大変厳しいものでした。

この間、右往曲折はありましたが、何とかこの難局を乗り越え、5月の連休明けから、全職員研修を行うことになりました。300人の職員を1チーム10人とし、30チームつくり、5チームづつ17時から20時迄の3時間行いました。

この研修でも、全員にファイルと資料を配付しました。表には「夢を叶える宝物と名前」裏に「人生稲の如し実りの秋を信じて歩む」という、私の座右の銘を書きました。資料に基づき活性化の概要と研修予定を説明し、その後ポストイットを使用し「問題点の抽出」を行いました。

この「問題点の抽出」が、職員の心に火を付けました。驚くことに、その問題点の総数は3.690件に達しました。この問題点を「樽式活性化法」に基づき「意識・組織・仕組み」に3分類しますと、「意識5%・組織2%・仕組み93%」の割合になりました。

この結果に驚きの声が上がりました。それは多くの職員が、院内で発生している問題は、病院長以下幹部職員の管理責任にあると考えていたのです。それが、自分達が仕事をしている「仕組みの未完成にあること」に気づいたのです。

この気づきが職員のヤル気に火が付きました。

   問題点  気づけば我が身  迫り来る

    仕組みを見れば  何と未熟か

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残雪が道路をキャンバスに「龍」を描いていました。