長い旅路 5. 杭

「出る杭は打たれる」という諺がありますが、 20代の頃、父から「出る杭は打たれるというが、杭は出なければ打たれない。この杭は打たれれば、打たれるほど強い杭になれる。沢山打たれるのだ。そして世の中の役に立つ太い杭になれ!」と言われました。

この頃は、高山市内の金融機関に勤めていました。若さに任せて、お客様から借入金の依頼に「分かりました。」と支店長の許可も得ずに融資を決めてしまいました。後日、支店長から『お客様から「融資有難うございます」と言われたが、融資の話は私の許可を得てから進めてくれ。』と注意をされたことが何回かあります。正しいと思って行いますが、この杭が久世者で、いつも大きな頭を出していたのです。打たれるのは当然です。

さて、この杭は今までに、何十回、何百回打たれたことでしょか?その数は数え切れません。打たれ打たれて、多少のことでは折れない、太く強い杭に成長しました。有難いことです。

しかし今は、出る杭を打つと、時にはパワハラなどと言われます。強い杭にするには、打たれなければなりませんが、打つことも、打たれることも、中々難しい世の中になりました。少し残念でなりません。

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ネットから借用しました。