人事部長 19. 障がい者と手を取り ⑴ 相談

障がい者の方を雇用し、日常業務の中で支障なく仕事をしていくには、中々難しい課題が多々あります。この壁をどう乗り越えることが出来るか。それも「人事部長」の大きな役割の一つです。

今まで沢山のお客様の活性化に取り組みましたが、障がい者の社員と一般社員との確執は大きく、それをどう解消するのかで四苦八苦しました。

その一例をご紹介します。甲府商工会議所での講演会の時ことです。この講演が終わった後、個別の相談会が設けられ、それにこのお客様が参加されたのがご縁でした。

このお客様はご長男が障がい者で、少しでも多くの障がい者の方を元気付けたいと、10数名の障がい者専用の作業所も運営してみえました。その中から工場で働ける方を従業員として受け入れてみえました。

このお客様からの相談は「障がい者の従業員と社員との確執が酷く、生産にも売上にも影響しておりますので、なんとかしたいのですが相談に乗って下さい。」ということでした。

この相談を受け二つ返事で受けることにしました。何故なら、私の父が42歳の時失明しましたので、障がい者の方、そしてご家族の方々のご苦労は、身に沁みて分かっていました。

私はもっと話を聞くために、次の日、会社を訪問することにしました。そこで目にしたのは、暗い雰囲気の工場内でした。障がい者の従業員は手持ち無沙汰にし、眼はキョロキョロとして私を見ていました。これを見て「よしやるぞ!」という強い気持ちが体の底から湧き上がって来ました。

                続く

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