「本当ですか?」と工場長に聞き直しますと「天職をみつけたかのように、段取りよく仕事をするのです。朝は早く出社し、仕事の段取りをし、帰る時には綺麗に掃除をし、明日の段取りまでして帰ります。この梱包部門はパートの従業員と二人だけで、上手く指示しながらやっていますので、リーダーにと考えています。」と言われました。まさか障がい者の社員がリーダーとは。この工場長の言葉に涙が溢れそうになりました。
そして塗装部門に行きますと、塗装作業がしたいと望んだ障がい者の社員がニコニコしながら、下塗りの塗装作業をしています。工場長が「この塗装作業は匂いや塗料で汚れることから嫌われる作業でしたが、この障がい者の社員が担当してくれたお陰で、流れはスムーズに行き、本当に感謝しています。あと半年もすれば仕上げ塗装も出来るようになると思います。」と話されました。これにも驚きました。
この障がい者の社員は、この塗装が本当にやりたい仕事だったのでしょう。それは嬉しそうにニコニコしながら下塗り塗装をしていました。この塗装作業を担当している障がい者の社員は、コミュニケーション能力が弱く、誰とも話すことなく一人孤立した状態でした。
指導担当の社員から話を聞きますと「こんなに仕事が出来るとは夢にも思っていませんでした。僕たちが障がい者は仕事が出来ないという偏見を持っていたことは大きな間違いでした。先生、本当に有難うございます。」とお礼を言われたのです。
続く