人事部長 20. 障がい者と手を取り ⑵ ヒアリング

会社訪問で多くの課題があることを確認し、一ヶ月後から活性化研修に入りました。そして活性化研修の初日に玄関で見た光景は、今も忘れることが出来ません。それは泣き叫ぶ我が子(障がい者の社員)を車から下ろし、走り去って行く両親の姿でした。すると総務部長と企画部長が、泣き叫ぶ社員を抱き抱えて、工場の中に連れて入りました。

この光景を見て「これは何とかしなければ」と改めて強く心に誓いました。この障がい者の担当をしてみえたのが企画部長でした。この企画部長は障がい者専用の作業所の管理責任者もしてみえました。社長との話し合いの後、企画部長から障がい者の方々の現況報告と、今後の進め方について話し合いをしました。

そこで提案したことは、障がい者の方々のヒアリングでした。このヒアリングには企画部長も同伴していただくことを条件に行いました。このヒアリングに企画部長の同行をお願いした目的は、企画部長は日々障がい者の方の面倒をみてみえ、障がい者の方との信頼関係が出来ていたからです。

このヒアリングで明らかになったことは、障がい者の方には工場内でやりたいことが沢山あることでした。これに企画部長は「何?塗装がしたい?ダボ打ちをしたい?機械作業がしたい?梱包作業がしたい?」など余りにもやりたいことが、次々と障がい者の社員の口から出てくることに驚きの声を上げました。

この障がい者の社員のやりたいことが見つかったことで、活性化の扉を拓く大きな力となりました。

               続く

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