このヒアリングをして一番感じることは「誰かに聞いて欲しい」という叫び声が、社内に満ち溢れているということです。この隠れた叫び声を如何に聞き出し、活かすことが出来るかで、社内の雰囲気も業績にも大きく影響してくると考えます。この社員の叫び声を聞くのも、「人事部長」の大きな役割です。
このヒアリングの中で思い出に残る一つは「登校拒否」の子供さんの相談です。その女性の社員さんから「小学5年生の子供が登校拒否をして半年経ちます。どうしたらよいでしようか?」と、涙を流しながら話されました。
話を聞いていく内に、この登校拒否を引き起こしている最大の要因は「社内にある」と気づきました。この社員は課長職で毎日夜9時過ぎまで残業をし、休みも取れない状態でした。この結果、家庭放置の状態が続き、子供との会話もなくなり、ご主人との中も一触即発の状態になっていたのです。
これを生み出していたのは、協力会社の品質不良でした。これを解消するために、協力会社の不良率の調査を開始しました。その結果に基づき5段階に分類し、協力会社を集めて現状報告を兼ね説明会を開きました。
そして3ヶ月後の結果を踏まえ、不良率が下がらない協力会社は取引を止めるようにしました。その結果協力会社の品質は大幅に向上し、この課長の残業も大幅に減り、午後7時までには帰宅出来るようになりました。
続く