人事部長 17. 上に立つのが嫌 ⑷ ウェルビーイング

夏休みが明ける頃になって驚くような報告を受けました。それは登校拒否をしていた子供さんが、登校するようになったのです。この課長の話では「夏休みが終わった次の日「お母さん!行って来ます。」と言って、小学3年生の妹と二人でニコニコしながら学校へ行ったのです。自然に涙が溢れて来ました。」と言い、その声は涙声でした。

職場環境は家庭環境と大きな繋がりがあり、職場環境を変えることで、家庭環境にも大きな影響を与えます。この課長にとっては、「協力会社の品質改善」という大きな課題が解消されたことで、夢としていた「登校拒否」という家庭内の問題が解消されたのです。

このように「人事部長」の役割の一つに「働きやすい職場」「悩みを一人で抱え込まない職場」にするための話を聞くという姿勢が求められます。

最近「well-being(ウェルビーイング)」という言葉を聞きますが、ウェルビーイングとは「幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態のこと」とあります。「職場のウェルビーイングが良好だと、社員の仕事に対するモチベーションがアップして、仕事効率が良くなったり、営業成績が向上したりすることも。社員からの会社に対する貢献がアップするので、会社の業績向上にもつながります」と、その効果も記載されております。

このウェルビーイングを実行することは中々大変なことです。まず「何が幸福なのか?」という幸福の定義は人其々です。又「肉体的・精神的・社会的に満たされる」とは、どんなことを言うのでしょうか?中々答えを簡単に見出すことは出来ません。

このウェルビーイングという考え方は、企業経営に於いて、避けては通れない課題です。これを考え、取り入れて行くことで、安定した雇用の確保と業績の向上にも繋がる」と考えます。これも「人事部長」の大きな役割の一つです。

                続く

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