活性化に取り組んだ病院の一例ですが、この病院では看護師さんの定着率が悪く、いつも人材不足で、人事も担当する事務局長の悩みの種でした。それを引き起こしている大きな要因の一つが「医療ミスに対する上司の対応」でした。医療ミスが発生すると、原因究明より先に、ミスを犯した看護師さんへのパワハラに近い注意がありました。このことでミスを犯した看護師さんは萎縮してしまい、退職という事態にまで発展していました。
それを解決するために「何故、医療ミスが発生したのか?」個人を責めるのではなく、仕組みの見直しをするようにしました。このことで、ミスを犯した看護師さんが責められるのではなく、仕組みとして見直されることで、再発防止に大きく貢献する仕組みが出来上がりました。
このように働き易い「組織風土」の組織は、意識面に於いても好循環が生まれ、それが業績向上にも繋がっていきます。又新入社員が入り易い環境、社員が辞めにくい職場環境が整うことに繋がります。
人事部長も経営層であるからには会社の業績に対して責任がありますが、それは人事面における人材の安定供給や無駄を省くリストラなどの直接的に業績に寄与することだけでなく「組織風土を良くする」というような間接的なこともその責任であるという事です。経験的に言えば、むしろ直接的な行動よりも業績に対する効果は大きいと考えます。
改めて「自社の組織風土はどうなのか?」を色々の角度から検証し、改善して行くのも、人事部長の大きな役割の一つではないでしょうか。
続く