変化 58. 活性化事例「総合病院」(15) ISOの活用

病院の「機能評価」には「病院機能評価」と「ISO9000(品質マネジメントシステム)がありますが、日本の多くの病院では、「病院機能評価」が採用されています。その理由は「病院機能評価」は、審査が5年に1回で、審査内容も、「仕組みの審査に重きを置いていないこと」にあります。

ISO9000は、認証取得をすると、毎年「サーベイランス(監視監査)」があり、3年毎に更新審査があります。このサーベイランスに於いて、不適合が多いと更新審査の時点で、取り消し処分になります。このISO9000の審査は全て「仕組みの審査」であり、「医療管理システム」が、順調に稼働しているか?を審査するものです。

事例とした病院で、この「ISO9000の規格要求事項」を自由に使いこなし、「医療管理システム」のチェックリストとして、使用されています。先日のISOの審査では、審査員から「これだけ自由にISO9000の規格を、使いこなして見える病院は、はじめてです。本当に素晴らしいことです。」とお褒めの言葉もいただきました。

この「病院機能評価」も「ISO9000」も、形のだけの認証取得をするのではなく、この規格を自由に使いこなし、自院の仕組みのチェックリストとして活用しなければ、認証取得する意味はありません。そして「医療ミス・医療事故」の減少に繋げ、経営悪化・信用喪失に繋がる「医療訴訟」を無くすることです。

この事例とした病院では、医療ミスが発生すると、担当者から直ぐに上司に報告され、「何色のプロセスですか?」「黄色です。」「分かりました。直ぐ行きます。」と迅速に対応され、この黄色のプロセスでミスが発生した場合、看護部長に報告され、看護部長の段階で対処されます。

病院長が対処されるのは「赤色のプロセス」において発生した「重大な医療事故」のみです。

ISOを活用することで、「マネジメントレビュー」のインプット(下からの情報提供)とアウトプット(それに対する、病院長からの指示) の流れが明確になります。

又「内部監査」を行うことで、部門間を超えた「監査体制」が整い、理想とする「チーム医療」が出来るようになります。

そのISO9000認証取得の流れは次の通りです。

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                続く   

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