変化 51. 活性化事例「総合病院」⑼ 風化

今回、事例とした総合病院では、この「システムの構築」を全職員で行いました。

では、何故この「システム構築」を、全員参加で行うと良いのでしょうか?その理由は次の通りです。

仕事の手順や業務の流れは、必要から発生し、継続又は継承を繰り返すことで、変化するとともに、主体性を無くしていきます。

時に、慣例はその結果が悪いものになると予想されたとしても、それを簡単には、改善出来ないものにしていきます。その理由としては

① 手順の一部を変えては、その影響が他に及ぶから(可能性があるから)

② 手順を変える責任や権限が不明確だから(分からないから)

② 手順や仕組みを変える方法が無いから

などがあります。

見方を変えれば、手順や仕組みが、それを使っていく人が、作ったものではないからだと言えます。つまり、組織がプロセス管理によりノウハウを貯め、自ら改善していけるようにするためには、まず第一歩として「自らシステム構築に携わる」ということが、もっとも効果的と言えます。

そのために、今回、事例とした総合病院では、全職員が参加して「仕組み作り」を行い「自院、独自の医療管理システム」を構築しました。その結果、医療ミスや医療事故は減少し、病院経営悪化の大きな要因となっている「医療訴訟」は、この20数年間、一度も発生しておりません。

しかし時と共に、この「医療管理システム」は風化していきます。この「風化」を防ぐには、図の様な「PDCAサイクル」を回すことは基本です。

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その他に「ISO9000(品質マネジメントシステム)」の認証取得は大きな効果があります。何故なら、3年毎に更新審査があり、毎年サーベイランス( 監視監査 )が行われます。そして、更新審査の時、不適合が多発すると、取り消し処分となります。

このISOという第三者機関の審査を受けることで、「医療管理システムが正常に稼働しているのか」をチェックすることが出来ます。このISO9000を「医療管理システム」のチェックリストとして使用するのが、一番効果的です。

又この「医療管理システム」を風化させないために、当社(株)飛泉が、毎月定期的に訪問し、指導・コンサルを行なっております。

                  続く

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