冬の風物詩 5.飛騨鰤

「飛騨鰤!海の無い飛騨で鰤が獲れるのか?」と驚かれると思います。この「飛騨鰤」は富山湾で獲れた鰤が、富山と飛騨を結ぶ越中街道を通り運ばれ、飛騨の市場で塩漬けされた鰤が「飛騨鰤」です。

そして映画「ああ!野麦峠」で有名な、雪深い野麦峠を越えて信州に運ばれました。この鰤のことを、信州では「飛騨鰤」として珍重されました。

この飛騨と信州は明治維新の時、6年間「筑摩県」という松本市を県庁所在地とした県でした。この「筑摩県」をネットで調べると次のようになっています。

「筑摩県(ちくまけん)は、1871年明治4年)に飛騨国および信濃国中部、南部を管轄するために設置された県。現在の長野県中信地方南信地方岐阜県飛騨地方と中津川市の一部にあたる。」とあります。この筑摩県は1876年に廃県され、飛騨は岐阜県編入されましたが、飛騨と信州は飛騨鰤や岡谷市への糸引き女工など深い繋がりがありました。

私の子供の頃は、この飛騨鰤は高嶺の花でした。年取りと言えば、家族で2杯の煮イカを分け合って食べました。本当に美味しかったです。今は塩鰤ではなく生の鰤をいただきます。

子供の頃の、懐かしい大晦日を思い出しながら、家族元気で大晦日を迎えることが出来ることに感謝しております。

   大晦日 イカ一杯に 目を凝らし

     鰤は高嶺の 花は思い出

                岳  靖

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ネットから借用しました。