人生の棚卸 ⑵

この棚卸の中で一番印象に残っている言葉が父から言われた「出来ることしか与えられない」です。仕事で行き詰まり、家族とも話をせず、苦虫顔でいますと失明した父がそれを察し、こんなことを言いました。「出来ることしか 与えられないのだ。どんな困難なことでも、出来ると信じて挑戦すれば必ず出来る。家に帰れば仕事のことは忘れろ!」と。「どんな困難なことが起きても!」この父の言葉がその難局を吹き飛ばしてくれます。
何故父はそこまで悟ったのか?それは失明という闇の世界を知ったからだと思います。父は私が小学5年の時、急に失明しました。その原因は第2次世界大戦で中国で飲んだメチールではないかと言われました。
この時姉が中学2年、妹が4歳でした。2年余り母が付き添って各地の病院を周りましたが、その効果なく失明しました。そして44歳の時、指圧師になるために岐阜県立盲学校に入学しました。