「コミュニケーションの難しさを知る」

『先日、研修においてコミュニケーションゲームを行いました。そのゲームとは6人でチームを編成し、日本の昔話やグリム童話等から100文字ほど抜粋し、その文章には絵がつけられて1枚の紙で書かれており、それを伝達するものです。それにはいくつかの約束事があります。1つ目は説明された紙を決して見せてはいけないこと、2つ目は時間は3分以内で伝達すること、3つ目は出来る質問は「もう一度説明してください」だけです。そして3分間の説明が終われば、説明者は退席し説明を受けた人だけが、3分間をかけてその内容をメモします。それを繰り返し最終の方が記載した文章及び絵がどれだけ正しく伝えられたかを図るものです。

今回のこのゲームでは、正解度が大変高い結果となりました。その最大の要因は1年間に亘る作業手順書等の作成において、社員相互のコミュニケーションがしっかりと図られていたことによるものと考えます。このようなゲームを通して社内のコミュニケーションがどれだけスムーズに図られているのかを測る物差しにすることも出来ます。この研修における最大の目的は「いかに正しく聞き、それをメモするかを知る」ことにあります。多くの中小企業においては作業手順書等が作成されず、口頭による業務の伝達がされ、それに対し新入社員が嫌気をさし、定着率の悪化を招いていることも否めません。このようなことを防ぐためには出来るだけ文書化することで業務上のコミュニケーションと共に社員相互のコミュニケーションも大きく向上します。その結果、業務の効率化が進み、製造業においては生産性が30%以上向上することも珍しくはありません。たかがコミュニケーションとして捉えず、そのコミュニケーションを確立するための仕組み作りが大変重要です。』