列車の旅 4.てきない?

今から30数年前、大阪で仕事をし、近鉄特急で高山に帰る途中の列車の中で体調が悪くなり、奈良駅で降りフラフラしながら改札口まで行き、その場で倒れてしまいました。そして気がつくと大きな病院のベットの上でした。

看護師さんに話を聞くと「奈良駅から救急車で運ばれて来られました。」とのことでした。8月の暑い日でしたので、熱中症になってしまったのです。この頃は一人で大阪や高山でも仕事をし、走り回っていました。だいぶ無理をしていたのです。そのツケが近鉄特急で起き倒れてしまったのです。

先生が回診に見え『下裏さん。「てきない!てきない!」と叫んで見えましたが、この言葉の意味が全く分かりませんでした。「てきない」とはどんな症状ですか?』と聞かれました。『「てきない」とは胸が苦しい時などに使う飛騨の方言です。』と応えました。先生と看護師さんから「飛騨の方言では分かりませんね。」と笑って見えました。お陰様で大事には至らず、一晩入院し、点滴治療を受け、次の日の夕方高山に帰りました。

この時知ったことは「方言では症状を正しく伝えることは出来ない」ということです。しかし意識が無くなり、無意識の中で発する言葉は、やはり「てきない」などの方言になってしまうのでないかと思います。よく注意しなければなりません。

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