私はWベッド ( 2 ) お嫁入り

2人の悲痛な叫びが、旦那様に聞こえたのでしょうか?「よし!このダブルベッドに決めよう」」と言われたのです。「やっとお嫁に行ける」と妹と「万歳!」を叫びました。その後、ソファさんと下駄箱さん・カーテンさん、ダイニングテーブルさんも一緒に買って下さり、素敵な旦那様のもとに、皆んなでお嫁入りをしました。

旦那様の家に着きますと、カーテンさんが、一足早く入っていて「よく来たなぁ。中々良い所だぞ」と、生意気にも兄貴分を装います。寝室はリフォームされ、壁は白色で明るく、南向きで暖かい陽が差し込み、サツシは2枚のガラスの間に空気層が設けられたペアガラスです。暖かくて嬉しいことは、結露が付かないことです。本当に気に入りました。

何故なら、私だけでは、旦那様と奥様を暖かく包み込むには限界があるからです。そしてもう一つ嬉しいことは「雨戸」が付いていたことです。「ペアガラスと雨戸」これで私の役目を心ゆくまで果たすことが出来ます。有難いことです。

寝室に入りますと、隣にベッドが置いてあります。「何故、こんな所にベッドがあるのかなぁ。こんな話はマジェスタさんから聞いていないし?」と少し疑心暗鬼になりました。

すると隣のベッドさんが声を掛けて来ました。「いらっしゃい!私は旦那様のお母さんが使って見えた、介護用のベッドのジズ子です。お母さんの名前がしずでしたのでシズ子にしました。宜しく」。直ぐに「私は今日からご厄介になりますフラ子です。フラ子とはフランスベッドの略称です。宜しくお願いします」と挨拶をしました。

                   続く

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