私は仏壇 ( 1 ) お嫁入り

私は仏壇の「香(かおる)」です。名前は、下さんが仏間に香る「お香の匂い」から付けて下さいました。良い名前を付けていただいたと喜んでいます。

私は昨年9月23日に下さんの知人の仏壇屋さんからお嫁入りしました。仏壇屋さんの職人さんが、内部の飾り付けや灯明などを取り付けて下さり、リフォームされた仏間に入りました。

体重は恥ずかしくて、大きな声では言えませんが、3人掛かりでした。厚い丈夫な材で出来ていますので、重さは大分あると思います。

リフォームが終わった仏間に入りますと、飛騨の匠が作られた素晴らしい台があり、その台の上に座りました。正に位の高い方が座られる台座です。

私は浄土真宗本願寺派の仏壇で、内部は金ピカです。Wベッドのフラ子さんやメガネの蘭子さんが「香さんは何時も金ピカで、後光が刺しているようね。羨ましいわ」と少し妬み気味です。

下ちゃんは、高山では仏様に朝晩お参りになり、経典の「重誓偈」をお勤めされます。そして両親や兄弟など大切な人の命日・月命日には「正信偈」をお勤めになります。

こんなことを下さんが言われました。「お勤めするのは、亡き人の御供養と共に、もう一つは発生練習や」と。それで外にも聞こえる様な、大きな声でお勤めをされていたのです。

御供養されている仏様は「もう少し声を抑えてお勤めしてくれ!」と言って見えますが、下さんには全く聞こえません。

                   続く

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