私はWベッド ( 5 ) 仏壇のお嫁入り

次の日、岐阜から旦那様が、お帰りになりました。奥様は嬉しそうに「お帰りなさい!」と笑顔で迎えられました。マジェスタさんも「行って来ました」と挨拶をしました。

又お二人で荷物の整理です。「お母さん!この荷物は2階に上げるの?」「それは納戸の中に入れて」などと今日もてんてこ舞いです。

今日はお仏壇さんがお嫁入りされる日です。さてどんな綺麗な仏壇さんが、お嫁入りされるのか?私もマジェスタさんもソファさんもテーブルさんもカーテンさんも下駄箱さんも皆んな興味深々です。

そして仏壇屋さんがお見えになりました。さあ!仏壇さんの嫁入りです。だいぶ重量があるようで、3人掛で客間に運び込まれました。

梱包を解かれると、金色に輝く仏壇さんがお顔を見せました。旦那様のお家は、浄土真宗本願寺派とのことで、仏壇さんは金ピカで、やっぱり僕らとは違います。「そりゃそうよ!ご家族皆んなが手を合わせる仏様のお家だから」と、言いながら、皆んな少し羨ましい気持ちになりました。

仏間にお座りになり、飾りつけが行われ、それが終わりライトが点灯されると、仏壇さんは又一段と綺麗になりました。

どうか僕達もお守りくださいと、皆んなで仏壇さんに手を合わせお願いしました。

仏壇屋さんが帰られると、旦那様が仏壇さんの中に写真を飾られました。客間に飾られているお父様やお母様のお顔とは違います。するとマジェスタさんが耳打ちをして来ました。「この方は旦那様の友人で、8年前に亡くなられた方だよ」やっと分かりました。それにしても、赤の他人が仏壇の中に入られるとは驚きです。

                    続く

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笠ヶ岳です。