秋を迎える頃になると、不良率は大幅に下がり、品質低下により、顧客離れが起きていた状態から、脱する目処が立って来ました。
その第一歩が、6月に行った「活性化現状報告」です。この報告を行った先は「品質悪化により取引が解消されたお客様宛」です。発送から2週間後には、大手アパレルメーカーの常務が来社され「工場が綺麗になったこと、従業員の仕事への姿勢が変わったこと、生産・品質管理がしっかりと出来ていること」などに対し、大変お褒めをいただき、その場で沢山の受注をいただきました。
時が経つにつれ、お客様からの問い合わせが来るようになり、受注も順調に伸びて行きました。そして年の瀬を迎えた12月には、夢としていた経営改善も、軌道に乗り始め、やっとで長かったトンネルを抜けることが出来ました。
これは12月に行った役員研修での、専務の研修レポートです。
「新年は、本当に重苦しい気持ちで迎えました。海外の安い工賃に押され、受注は減り、この2年間赤字でした。今後も低迷が予測されるこの業界で、全面閉鎖を考えながらも、やはり従業員を抱えて心情的にも、又今まで築いて来た未練も相まって社長共々、苦悩の日々でした。
そんな思いをしている時、下裏先生のお話を聞き、苦しい資金繰りの中、多額の投資をすることに、一時は迷いましたが、企業生命を全て先生にかけることに決心しました。今思えば4月頃からでしようか。何かぼんやりとですが、会社が変わって行くのが実感できるようになりました。この頃から社員の顔も明るくなり、活気が出て来たように思います。
今、私は、活性化は絶対に成功すると確信しております」
この頃は多くの縫製業の会社が、中国に進出していましたが、失敗し廃業や倒産に追い込まれる会社も多々見受けられました。そんな中で、この専務が確信された通り、活性化は大成功しました。
いばら道 挫けず歩む 我慢こそ
豊穣大地が 笑顔で迎え