変化 4. 思想改革

私は27年前、中国の日中合弁会社の活性化に、コンサル兼総経理(社長)として取り組みました。この頃は、上海空港から会社があった南通市迄はタクシーで一日かかりました。

上海空港から揚子江の船乗り場迄は、舗装された二車線の道路でしたが、揚子江を渡ると道路は一変し、未舗装のガタガタ道で、その上一車線ですれ違いが大変でした。

そんな、この頃のことを思い出すと、世界第二の経済大国として、発展した中国を想像することは不可能でした。

活性化に入り驚いたことは、国営企業の名残りで、雨が降れば多くの従業員が休み、一日に何回も停電となり、品質管理という考え方は無に等しく、不良品の山が築かれていました。

特に驚いたのは「意識改革」という言葉です。董事長( 会長 )とはじめての挨拶で「当社の活性化の手法は、仕組みづくりと従業員の意識改革です」と言いました。すると董事長の顔色が変わり「そんな思想改革を行う活性化はお断りします」と言われてしまったのです。

この「意識改革」の意味は、中国語で「思想改革」だったのです。共産主義の中国で「従業員の思想改革を行います」と言えば、それはお断りされるのが当然です。

                  続く

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