この「樽の組み立て」の「研修」によって、工場内の雰囲気は大きく変わりました。そしてもう一つ大きな変化は、参加者に大変評判が良かったことで、研修に積極的に参加する様になったことです。
そしてチーム研修が終わった頃から、工場の雰囲気は少しづつ変わって来ました。その違いの一つは、一部のラインで「朝礼」が行われていたことと、私が工場に入ると、従業員が「笑顔」を見せる様になったことです。それまでは、全く無視されていましたので、これには本当に驚きました。大きな進歩です。
しかし此処でも、コンサルに入る前に、董事長(会長)から言われた「意識改革は思想改革です。」という、恐ろしい言葉の「影」が見え始めたのです。
それは、「樽の組み立て」によって、仕事への意識が変わった従業員への警戒です。「大変良い方向に進んでいる」と、安心している暇はありません。「意識が変わる」ということは、良しにつけ、悪しきにつけ、「思想改革」として捉えられ、その変化には、特に「警戒」されたのです。
その「警戒」された要因の一つは、「樽」の側板の長さを「意識」として、説明したことにもあったと考えます。こんな経験はしたことがありません。この「影」と、どう対応すればよいのか頭を悩ますことになりました。
中国では、この言葉使いを一つ間違えると、命取りになりかねません。それが最近では、より厳しくなった様です。恐ろしいことです。
続く
日中合弁会社の工場です。明るく綺麗になりました。