変化 24. 活性化事例「日中合弁会社」⑷ 昼食

この「影」に脅かされながら、活性化を進めました。活性化に入った頃は、日本でもお客様があり、仕事をしておりました。そのため中国には、「月に1回1週間」滞在しましたが、毎日、毎日、この「影」を踏まない様に、踏まない様にと、気を付けながら「活性化」を行いました。

そんな時、董事長(会長)から「お昼を食堂で一緒に食べませんか」とお誘いを受けました。この頃は、専務と駐在員の方が一人見えましたが、食事は食堂ではなく、別室で日本食を作って食べて見えましたので、私もそこで食べていました。

そして初めて、「食堂」で昼食をいただくことになりました。食堂は100人ほどが入れる広さがあり、沢山の従業員が食事をしていました。

董事長の案内でテーブルに着きましたが、その席は、董事長・工場長・部長など上層部の席で、8人が座りました。そこに出て来たのは、大皿に盛られた野菜の煮込みと鳥の唐揚げ・大きな丼に入ったスープでした。そこで驚いたことは、取り皿が無く、全て箸やレンゲを使って、直接食べるのです。特にスープは、8人が直接レンゲで食べることに、一歩引いてしまいました。すると、董事長が「取り皿を」と指示され、その取り皿でいただきました。

もし、この董事長からの誘いを、断っていれば、どうなったのでしょか?今振り返ると、背筋が寒くなります。

この食堂で、董事長以下上層部・従業員と一緒に食事をすることで、少しづつながら「影」は薄くなって行きました。中国では、何かあれば、一緒に食事をし、人間関係を深めるという風土が強く、それを受け入れたことで、少し薄くなったのではないか?と考えております。

                  続く

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