変化 37. 活性化事例「日中合弁会社」(16) 災い転じて

疲労の限界に達し、8月2日午後3時頃、社長室で意識を無くし、倒れてしまいました。気がつくと、新しく買った董事長の車の中でした。周りには、沢山の従業員が集まり、気がついて顔を向けると、拍手が起こり、泣き出す女性従業員の顔も見えました。

私が「倒れた」という情報は、直ぐに工場内に流れ「活性化はどうなるの?総経理(社長)は日本に帰って、もう中国には帰って来ないの?」など大騒ぎになったと後から聞きました。

私が倒れただけで、工場内を揺れ動かすとは、活性化に入った当初では、到底考えられなかったことです。

董事長の車で、南通市内の大きな総合病院に行き、点滴を受けました。オーナーからは「日本に帰ってゆっくりと休み、体調が良くなれば、また中国に来てください。」との、有難い言葉をいただきましたが、「それでは、今までやって来たことが、水の泡になり、病気に負けたことになる」と、自分に言い聞かせ、日本に帰らないことにしました。

そしてホテルで、3日間過ごしましたが、この3日間は、、色々のことを振り返る良き機会となりました

そして出社しますと、驚くことに、玄関に沢山の従業員が集まり、握手を求めて来たり、ハグする従業員や、涙を流す従業員など多くの従業員から、大歓迎を受けました。これには本当に驚きました。

この時、一党独裁の「影」に怯え、行動には現しませんでしたが、互いの「信頼関係」は、確立されていたと確信しました。

この「倒れる」ということがなければ、従業員との真の「信頼関係」は、生まれなかったのではないかと思います。

正に「災い転じて福となす」との、諺通りになったのです。これが従業員の「意識改革」を進める上で大切な「信頼関係」という大きな大きな「架け橋」が出来上がりました。

                  続く

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上高地の「河童橋」で撮りました。