変化 33. 活性化事例「日中合弁会社」 (12) 寝袋

研修での「樽の組み立て」「ファッションショー」そして「トイレの改修」と色々なことを行ったことで、従業員の「意識」は、大きく変わりました。

しかし従業員の意識が向上しても、「生産管理の仕組み」が不備では、「絵に描いた餅」になってしまいます。そのために、現場の状況把握をしなければなりません。

その中で、もう一つ不良品を生み出していたのが「ミシン」でした。この工場は地元の公営企業に資本参加し、日中合弁会社として経営されていました。そのため縫製業の要である「ミシン」が中国製で、そのミシンの性能が悪く、油漏れなどで不良品を、生み出していたのです。

この頃、日本では縫製業の経営が厳しくなり、中国への進出が多発していました。しかし、進出した多くの会社は、色々な課題を解決出来ず撤退していました。そこから日本製の質の良いミシンを購入し、入れ替えることにしました。このことで「ミシン」の問題は解消しました。

次の課題は「生産管理」のためのデータが、全く管理されていないことでした。その「情報収束」を始めました。時には工場に「寝袋」を持ち込み、泊まり込みで「生産管理システム」の作成もしました。

この頃は、日本のお客様もあり、中国の滞在中にどれだけでも「情報収束」をしようと、一人で四苦八苦しました。

よく董事長や工場長などから「大丈夫ですか?」と声を掛けられました。これも、「信頼関係」を構築する、大きな力になったと確信しております。

                                                          続く

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