変化 28. 活性化事例「日中合弁会社」⑻ テレビ

前回のお話の続きです。そこで、基盤の発注先のメーカーから、基盤が使用されている「テレビ」をお借りしました。そして研修の場で、「正常なテレビ」と「不良基盤を使ったテレビ」を比較して見せました。

当然、「正常な基盤のテレビ」は、しっかりと映るのですが、「不良の基盤を使ったテレビ」は、画面がボケたり、全く映らなかったりしたのです。

この現実を目の前にして、従業員の顔は引き攣り、一部の従業員は泣き出してしまいました。正に「百聞は一見にしかず」という諺の通り、この現実を知り、不良品を作ることが、如何にお客様に迷惑をかけていたかを思い知ったのです。

この事例を、中国の工場でも、活用しようと考えました。そして閃いたのが、工場内で生産している洋服を使った「ファッション」でした。

ヒアリングの中で、多くの従業員から出ていた「一度でよいから、自分達が作った洋服を着て見たい」この願いを叶えると共に、不良品を作ることで、どれだけ、お客様に迷惑をかけるのか」を知らしめるには、一石二鳥と気づきました。

オーナーと董事長に相談しますと、大賛成で、「直ぐに企画書を出して下さい。」と言われ、話がトントン拍子に進みました。

企画書では、従業員30人をモデルとし、その選出は、全て董事長に一任し、会場選定・会場設定も全て、工場長以下幹部従業員に一任することとしました。

驚くことに、従業員のモデルの選定が終わると、董事長が南通市から講師を呼び練習が始まったのです。この話が工場内に広がると、工場の雰囲気は、又大きく変わって行きました。

                 続く

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