変化 32. 活性化事例「日中合弁会社」(11) トイレ

この「トイレ」は、「揚子江」を渡るカーフェリーのトイレを使用した時に驚いてしまいました。女子トイレに一度に10人余りが入って行くのです。そして一度に出て来ます。それは男性のトイレも全く同じでした。

これを見ていましたので、「何とか改修したい」という思いはありましたが、オーナー、董事長が何と言われるか?心配でした。相談をすると、董事長から「これはいずれ改修しなければならないと思っていた。従業員からの申し出であれば、条件を付けて改修しましょう。」と言われました。

その条件とは「トイレが個室になることで、使用できる人員が大幅に少なくなるが、今まで通りの、休憩の時間内でトイレを使用し、仕事中は原則として使用しないこと。この約束を守れるのであれば、希望通りトイレの改修は行います。」と言いました。代表の一人が「この約束は必ず守ります。どうかトイレの改修をお願いします。」と頭を下げたのです。

会社側の要求が聞き入れられたことから、改修工事に入りました。半月ほどすると、洗面所・トイレの工事も終わり、見違える様なトイレになりました。従業員の喜び様は、今でも、しっかりと目に焼き付いています。このトイレの改修も、従業員の「意識改革」を進める上で、大きな効果を上げました。

従業員の「意識改革」を効率的に進めるには「従業員が何を望んでいるのか」を聞き出すことが大切です。しかし「一党独裁」という中国では、一つ間違えると、命取りになりかねません。

そのため事を進めるには、董事長など上層部との「信頼関係」が確立されてからでないと難しいと改めて思い知りました。

                  続く

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