引く

日本刀や包丁など、日本の刃物は「引く」ことで、切ることが出来ます。「引いて切る刃物」は世界では大変珍しく、世界の多くの刃物は押して切ります。

中国で仕事をしていた時、工場周辺をウォーキングしましたが、そこに大工さんの家があり、仕事を拝見しました。それを見て驚いたことは「ノコもカンナも全て押して切る」ということです。この押して切ることで、切り口は粗くなり、素材が持つ本来の美しさを、生かすことは出来ないと感じました。

この様に道具の使い方一つで、その国の文化や国民性も現しているのではないでしようか?

今回の新型コロナウイルスの感染防止対策にも、この「引く文化、押す文化」が顕著に現れているのではないか?と考えます。

「素材を大切にし、それを生かし切る」という、日本の「引く文化」に多くの外人観光客が魅力を感じ、それが客を呼び込む一つの力になっているのではないか?とも考えます。

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高山市飛騨国分寺三重塔です。