「社員を育てるには常に問題を与えることが必要」

『「社長、基準年や比較年がマイナスの数値のときでも、きちんとした増加率がエクセルで出来るようになりました。」と甥っ子が嬉しそうに言いました。当社では、お客様の決算書の分析を行い、決算報告書の作成も行います。その決算報告書に基づき、年度事業計画書や中期事業計画書の作成を行います。

又、決算報告書は、決算書に添付して、金融機関に提出します。この決算書に決算報告書を添付することで、金融機関との信頼関係が深まり、評価は高くなります。私も金融機関に勤務していた経験から、どのような書類を提出すれば、金融機関との、信頼関係が深まるのかを、金融機関の立場から見ることが出来ます。

なぜ今、このように基準年がマイナス数値の計算が必要になったかと言えば、一昨年からの景気低迷により、今期の営業利益や経常利益がマイナスとなったためです。そのため分子や分母がマイナスとなり、計算が難しくなりました。この計算方法を検索し、出来るようになったことから基準年がマイナスになっても対応できるようになりました。

私はエクセルを使っての複雑な計算は出来ません。しかし私が出来ないからこそ、社員には難しい難問も吹きかけます。今から10数年前には、まだグーグル等検索サイトがなかったために「そんな難しいことは出来ません。社長、出来るのならやってください」等と女子社員が大きな角を生やして言いました。しかし、私は「やる方法があるのだから、それを考えるのが仕事だ」と言い、突き放しました。そして2〜3日するとその女子社員は嬉しそうな顔をし「社長、わかりました。」と報告してきます。このように私は決して出来ないということを言わせませんでした。今もその考えは変わっておりません。社員を育てるには、決して甘やかさないことが重要であり、常に問題を与え、考える力をつけることが重要であると考えております。』