人生の並木道 青年期編 ⑷

本店から七日町支店を経て、神岡支店の勤務となりました。この神岡支店の勤務で、本格的な再建を経験しました。

10月に神岡支店に転勤し、管工事の会社を経営している、友人の所に挨拶に行きますと、顔色が冴えません。話を聞くと「12月の資金繰りが厳しく、年を越すことが難しい」と驚くような言葉が返って来ました。この会社のメインバンクは地元の金融機関でした。当店は少しの融資はありましたが、担保の保全範囲で問題はありませんでした。

早速会社に乗り込みました。この頃、友人は常務で、お兄さんが専務、社長がお父さんでした。三人の話を聞いているうちに、再建魂に火が付きました。

早速支店長に相談しますと「この会社の再建は無理だ。当店には影響が無いから、手を出さない方がよい」と取り組みを拒否されました。「休みを利用して調査しますので許可を下さい」とお願いしました。「下裏君は止めてもダメだな。無理するなよ。」と言われ調査に入りました。

調査が進むと、山のような問題が出てきました。その問題を1つ1つ整理して行きますと、再建可能との結論に至りました。早速再建計画書を作成し、支店長に提出しました。支店長は「これは時間が無いし、金額が大きく、難しいが、本部へ行って話してくる」と言って出かけられました。すると支店長から「直ぐに本部に来るように」との電話が入りました。

役員室に入りますと、理事長をはじめ全役員が待って見えました。そこで再建計画を細部に亘り説明しました。質問は沢山ありましたが、何とか答えることが出来、無事に終わりました。

そして3日後、驚くなかれ全額が承認されました。以前上司であった支店長兼常務が、この時理事長で、支店長から「この融資に大変協力的であった」と後から聞きました。さあ!本格的に再建開始です。

続きは又明日

       親友の    苦しむ姿     見兼ねては

            再建魂      燃えて嬉しき