長い人生の中で、この「任せる覚悟」の重さを思い知ったのは、高山市に本店を置く金融機関で勤務していた30歳の時でした。支店に転勤になり、友人の会社が2ヶ月後に不渡手形を出し倒産すると聞いたのです。
私が勤務していた金融機関は、この会社のメインバンクはなく、倒産しても大きな影響はありませんでしたが、友人の姿を見て「知った以上はほって置けない」という悪い癖が出てしまいました。そして直ぐに支店長の許可を得て、再建可能かどうか?の調査に入りました。
その調査から再建可能と判断し、再建計画書を作成しました。そして支店長の承認を得、融資稟議書・再建計画書と共に辞表も付けました。正に「承認されなければ辞めます」との「覚悟」の意思表示でした。
この時の融資金額は1億円で、これはこの金融機関の営業利益と同額でした。もし再建に失敗すれば、1年間の利益が吹き飛んでしまいます。こんな無理難題を理事会で承認して下さったのです。
若き日の 恐れを知らぬ 覚悟意気
自信過剰の 日々が懐かし