人生の並木道 中年期 前期 前半 ⑶

その日から再建計画書の作成にかかり、半月後再建計画書を持って、飛騨信用組合の専務理事を訪ねました。この時お願いした融資金額は一億円でした。
「又大きい金額だなあ!検討するから待っていてくれ」と言われました。

それから3日後、専務理事から「直ぐに本部に来るように」との電話が入りました。期待と不安を抱きながら、役員室に入りました。専務理事から「この再建計画書を説明して下さい」と言われ、説明し質問もありましたが、何とか終わりました。専務理事から「結果は又後日連絡します」と言われ終わりました。
それから3日後専務理事から「今回の融資は全額承認された」と驚くような連絡が入りました。
これに驚かれたのは、社長と奥さんです。正か全額承認されるとは、誰も思っていなかったのです。本当に驚きました。直ぐに再建計画に基づき、行動を開始しました。
先ずは、メーカーに買収中止の話をしなければなりません。その準備をしていますと社長から「専務取締役として交渉に行って欲しい」と言われ、専務取締役の名刺をいただきました。

そして名古屋市にある本社に行きました。そして課長に買収中止の話をしましたが「貸付額は6000万円ですよ!そんな金がどこにあるのですか?お帰り下さい」と全く取り合ってくれません。又次の日も課長と会い、話をしますが取り合ってくれません。 
無理もありません。倒産寸前の会社が「6000万円のお金を持って来ますから、買収を中止して下さい」 信じないのが当然です。ましてや35歳の若造が、専務取締役という名刺があっても、一度も会ったことがない人間です。
その日課長と話をしていますと「おい!何処のお客様だ!」と声をかける人が見えました。名刺交換をしますと「営業部長」です。そこで今回の件を説明しましたが「馬鹿な!そんな大金を払えるはずがない。話を聞く時間が無駄だ!」と全く耳を傾けてくれ気配はありません。

続きは又明日

       無視されて    悔し涙も     乾かぬに

   押して押されて 鍛え鍛えて