「馬鹿正直も度が過ぎると命を危機に晒す」第2回

『私はまったく知りませんでしたが、目覚めたのは翌日の午後でした。その薬は強い睡眠薬で、正常な人が飲むと命に関わるほどの薬効があると後日先生から指摘されると同時に、大変なお叱りも受けました。家内の話では「あまり2人が起きてこないので行ってみると、その方が私の枕元で座り涙を流してみえた」とのことです。家内は私が睡眠薬を飲んだことを全く知りませんので何が起きたのか最初はいびきをかいて寝ている姿を見て、大きな声で「お父さん、お父さん」と呼んでも眼を覚まさないのにびっくりしてしまったそうです。その方から睡眠薬を飲んだことを知り、すぐに病院に電話し、対応を相談したそうです。から袋から一服飲んだだけであり、睡眠はお昼頃まで続くとの指導を頂き、暫くそのままにしておいたそうです。その間中、その方は枕元に座り「奥さんすみません」と何度も言い、涙を流してみえたそうです。

午後、私は眼を覚ましたが今まで経験したことのない頭痛を感じました。しかし、その頭痛も夕方には治まりました。その方は一緒に私の家に泊りましたが、その夜「すみませんでした。明日病院に入院します」という言葉が出、翌日病院に一緒に行き、入院されました。それから一ヶ月後、退院され元気になられました。

馬鹿につける薬はないと言われますが、このように馬鹿なことを経験したことで、人間は互いに信じ合うことで何かが生まれ、それが互いの人生を大きく変え、成長させる力になると確信しました。しかし、「もう二度とこのような睡眠薬は飲まないように」と家内から強くお叱りを受けました。』