「底なし釣瓶(つるべ)で水を汲む」


『私は前回(1月6日ブログ)ご紹介しましたように、樽を使って企業活性化を行っております。このように樽には大変興味を持っております。先日岐阜新聞論説委員をしている方が「下裏さんの樽には底がありますね。底のない樽でも水は汲めると思いますか?」との質問を受けました。それに対し私は「底がなければ水は汲めないと思います。」と、答えました。「こんな話がありますから、是非知っておかれたほうがいいですよ。それは“底なし釣瓶で水を汲む”です。」この話を聴いて、さっそく調べました。その話の概要は次の通りです。「昔、あるところに長者がいたが残念なことに子供がいなかった。そこで養子をとることにした。呼びかけてみたところ沢山の人が集まった。そこで長者は集まった者たちに「この釣瓶で水を汲み、あの樽を一杯にしてみよ」と底のない釣瓶と五斗樽(約90リットル)を渡した。出来るはずがないとみなが汲むことを諦める中で、ある青年だけが釣瓶のふちに滴(しずく)のように垂れる水を一滴二滴と汲み続け、一昼夜かかって樽を満杯にした。長者はこの青年を養子に迎え、この家はその後も長く繁盛したという。」という内容です。

この話から樽式活性化法の底の考え方を少し見直さなければならないと考えております。底が抜ければ樽は使えなくなり、破棄するのではなく、その樽をいかに活かすかを考えなければならないと気付きました。特に今回の「樽式衣食住活性化法(仮称)」は国等行政を含んだ活性化法であり、底がしっかりしていない国々が世界に沢山あることから、この底の考え方を根底から変えなければこの「樽式移植州活性化法(仮称)」は絵に描いた餅になる可能性があります。改めて樽の重さを思い知らされました。』


出展:とやま企業未来塾 役職者講義2回目 中井敏郎氏

http://www.toyama-mirai.com/archives/2009/06/2_4.html