「お父さん、ごめん」

『12月10日木曜日の中日新聞に全国中学生人権作文コンテスト県大会の最優秀賞・県人擁護委員連合会長賞を受賞された、谷口冴子さんの「お父さん、ごめん」という作文を読む機会がありました。障がい者のお父さんを通して多くのことを学習されていかれる谷口さんの姿に大変感動しました。私の父は42歳の時失明しました。その時私は小学校5年生でした。小学校5年から高校3年まで、どこへ出かけるのも父の手を引いて歩きました。その時は「パパはなんでみんなのパパと違うの?」という谷口さんと同じ思いをしたことが何回あったか分かりません。しかし今思うと、この父と手を繋いで歩いたことで多くのことを学びました。

その経験から、小学校のPTA役員をしていた時、父兄会で「高山市内の本町通りの遊歩道を父兄が目隠しをして子供達に手を引かれて歩くことをしてはどうですか?」と提案しました。このようなことを提案した理由は、その父兄会において、子供との会話が少なく、人間関係に課題があるとの話が出たからです。私の経験から、父の手を引いている時、父の命は私が預かっていたと言っても過言ではないと考えておりました。誘導方法を間違えば躓き側溝に落ちる等の事故も発生し、最悪の場合は大けがを負うこともないとは言いきれません。このような危険な状態の中で、子を信じ歩むことは大変な信頼関係と愛情が必要です。現実にはこの企画は行われませんでしたが、今思えばこれを行うことで親子関係が少しでも改善されたのではないかと考えております。改めて谷口さんの優しい心に感動すると同時に父の手を引いて歩いた日々が思い出されます。』