「仕組みの完成度が成功を左右する」第3回

『個々の仕組みはこのようにして完成度を上げていくことが必要です。次に大切になるのがトータル的な仕組みのチェックです。そのチェックを行う1つの方法として私どもはISO9001を用いております。このISO9001の要求事項は企業経営を行うための最低限の仕組みを要求していると考えております。このISO9001で会社の仕組みをチェックすれば何が不足しているのかが明確になります。

このISO9001で仕組みのチェックを行いますとその大多数の企業の仕組みの完成度は10%以下と言っても過言ではありません。その最大の原因は、口頭による仕組みであり、文書化されていないからです。当初ISO9001の認証取得は1つのステータスとして捉えられていましたが、今は会社の仕組みを時代にマッチさせるための最短の方法であると確信しております。

活性化に取り組んだ多くの企業では活性化に取り組む前、内部監査員は5名以内でしたが、内部監査員を養成し現在は全社員の20%から30%が内部監査員として内部監査に取り組んでおります。自部門を他部門の人間が、又、他工場・他店の人間が同じ部門を監査する等により問題点が発見され改善の多くが力になっております。監査には第1者監査(内部監査)、第2者監査(顧客・監督官庁監査)、第3者監査(ISO監査)等がありますが、一番重要となるのが第1者監査の内部監査です。いかにして内部監査の充実を図るか、厳しい経営環境の中で勝ち残るための大きな要因になることは間違いありません。それは又、社員自身が自分たちの職場は自分たちで守るという意識が定着することになり、経営者と社員との共同企業防衛隊が作り上げられることになります。』