長い旅路 14. 逃げるな!

小学5年の時に父が失明し、中学2年の時に岐阜県立盲学校を卒業し、指圧師として開業されました。地元のケガをして動けない人の所に出張治療に出かけ、その時は父のお供をしました。

初めは歩いて行きましたが、暫くして父を自転車に乗せ回るようになりました。凄い坂道を自転車で下ったのです。今思うと恐ろしくなります。

こんな日々の中で、歩きながら父とよく話しをしました。今でも心に残っているのは「どんな困難なことが起きても決して逃げるな!」と言われたことです。この言葉には父の失明という逆境の中で、姉中学2年・妹5歳の3人の子供抱え、この逆境をどう乗り越えればよいのか?苦しまれた実体験に基づく言葉の重みがありました。

父は歩きながら、一生懸命私が一人前の社会人になるように教育して下さったのです。しかし、その頃は「親の心子知らず」で「うるさいなぁ」が先に立ちました。この父の教えの有難さを社長や専務など経営者を経験して初めて知りました。

父と歩いた故郷を離れて40数年になりますが、氏神様の御神刀のお手入れに行くと、その頃の思い出が走馬灯のように流れていきます。又今年も行って来たいと思います。

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懐かしい故郷です。

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ネットから借用しました。