絵に描いた餅

江戸時代末期の識字率は80%を超えていたと言われます。この頃、英国やフランス・ドイツなどの識字率は20〜30%と言われますので、日本の識字率は、世界に類を見ないほどの驚異的な高さを誇っていました。

この識字率を高めたのが、お寺の住職などが先生となり行われた、今で言う学習塾「寺子屋」です。この識字率は日本独特の文化を生み出し、成熟させる大きな力になりました。

今、専門学校・短期大学を含めた日本の大学への進学率は80%を超えています。団塊の世代が育った時代とは想像もつかないほどの高学歴社会になりました。

しかし、今の高学歴社会と識字率が高かった江戸時代末期と比較すると一人一人の学ぶ姿勢はどうだったのでしょうか?

今の高学歴社会には大きな落とし穴があるような気がしてなりません。何故なら「大学にいく目的が不明確であること」です。私どもの世代から見ると、大学とは専門的なことを学ぶ所であり、目的が明確になっていなければ「親の脛をかじった人にしか育たない」ような気がしてなりません。しかし残念ながら、今の社会は「大学を出ているのが普通」になりました。

私は企業の社員研修を行っていますが、企業に於いても、これと同じことがいえます。何故なら、社員が自らの潜在能力を発見するなどの意識改革をしなければ、社員教育は「絵に描いた餅」になってしまいます。

改めて高学歴社会を迎え「本当の教育はとは何か?」が問われる時代が来たのではないかと考えます。

f:id:swnm8:20230221101431j:image

ネットから借用しました。