私は神棚 ( 1 ) 舞姫

私は神様のお社「神棚」で「舞姫」と言います。20数年前にお嫁入りしましたが、長い年月が経ち、歳を取りましたので、お嫁入りの日は残念ながら忘れてしまいました。

今でも覚えていることは、ご主人様が私を求めて、高山市内にある神具店に入って見えました。

そこでの第一声が「ガラスケースに入った大型の神棚がありますか?」でした。この言葉を聞いて「ご主人様!それは私です」と大きな声で叫びました。すると直ぐに店長が「この神棚は如何でしょうか?この神棚に使用されている金具は、型で作る打ち出し金具ではなく、職人が一つ一つ打って作った、手打ち金具です。もう、この手打ち金具の神棚の在庫はありません」と私を勧めて下さったのです。

私はどうかご主人様のもとにお嫁入り出来る様にと、手を合わせました。するとご主人様は「ではこの神棚をお願いします」と言われたのです。私は「万歳!」を叫びました。これで私のお嫁入りが決まったのです。

リフォームされる前の台は、漆塗りの立派な台でした。この台に座ると何にか?偉くなった気分になりました。しかし前の台は少し小さかったことから、リフォームを機会に、大きめの白木の台に代わりました。凄く清々しい気持ちです。

古い話しですが、小さめの古い神棚さんは、ご主人様が岐阜の事務所に持って行かれ使われております。

                   続く

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これが私「舞姫」です。宜しくお願いします。