私はWベッド ( 6 ) 藁のベッド

ジェスタさんがこんなことを言いました。「このお友達は前の仏壇さんにも入って見えたよ。旦那様はこの方を御守りとして、岐阜に帰る時は、いつも胸のポケットに入れて見えるの。奥様もご存知で、いつもいってらっしゃい!と言って見送られるよ。僕は御守りと言えば、神社やお寺でいただくのが、御守りと思ってもいたけれど、ご主人様のように、亡くなった人をお守りにされるとは、少し驚いたね」私達も驚きました。

隣のシズ子ベッドさんが、話しかけて来ました。「お母様が昔、ベッドを作られたと言って見えましたよ」「えぇ!ベッド?」私は凄く興味が湧いて来ました。「その話を是非聞かせて下さい」とお願いしました。

「旦那様が子供の頃は、雪深い神岡町の山田という所に住んで見えました。昔の家は何処も同じでしたが、冬、吹雪になると朝起きてみると、雪が布団の上に薄らと積もっていることもよくありました。それは今のように断熱材を入れたり、ベニヤ板は高価でしっかりと隙間を防ぐことは出来なかったのです。

そして、床に畳が敷かれた部屋は客間だけで、居間や寝室は、縁取り( へりとり )という畳の半分以下の厚さの敷物でした。床下からも寒い風が入り、冬はそれはそれは寒い家でした。このことからお母様は、布団の下に敷く藁のベッドを作られたのです。

この藁のベッドの作り方は、藁を束にし、それを敷布団に仕立てた中に、しっかりと引き詰められたのです。この藁のベッドは床からの寒さを防ぎ、本当に暖かかったのです。フラ子さんとは天と地の違いですね」と言われました。

先人の知恵に本当に驚きました。

                  続く

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昨日ウォーキング中に撮られました。−4度と寒い一日でした。