口は出さない 上編

何事も任せるということは大変なことですが、しかしこの任すことが社員を成長させる一番の特効薬です。
私は仕事に関しては口を出さないようにしています。社員の成長にはそれが一番と気付いたからです。そうすることで社員は独自の考えで仕事をし、全ての仕事で驚くような形に仕上げてきます。その成長に眼を見張ることもあります。
振り返れば、私は今まで全ての面で口を出し、社員が持っている潜在能力を摘み取っていました。そして自分で仕事を抱え苦しんでいました。社員一人一人に仕事が任せることができることで、自分の時間が増え、やりたいことが出来るようになりました。
何故口を出すのか?それは私のイメージしたものを、作らせようとすることに他なりません。出来上がったものが、イメージ通りでないと愚痴となり、社員のヤル気を摘んでしまいます。では私が時代にマッチした正しいイメージができているのか?残念ながら出来ていません。諺に「三人寄れば文殊の知恵」と言われるように、多くの知恵を出し合ってこそ、時代が求めるものが出来上がるのです。
新聞紙上を賑わす親子の確執の原点は「互いに信頼し、任せ、口を出さない」という姿勢が欠如しているからと考えます。もう一つは「時代は日々激流の如く流れており、その流れに乗らなければ生き残ることは出来ない。」強い言い方をすれば「親子喧嘩をしている時ではない。」ということをしっかり知ることにあると考えます。続く
「口出さず 知恵を授けて 木は育つ」