「美味しいご飯ありがとう!」

『「社長、ご飯の準備が出来ています。食べてください。」と同居している社員から声をかけられました。前日から体調不良で朝起きて来ない私を心配し、朝食を作ってくれたのです。「クラウンを使用してもいいですか?。」「ああ、いいよ。」と言うと社員は車に荷物を積み、「行って来ます。」と言い、もう一人の社員と二人で元気に仕事に出かけました。

 さて、その朝食を見ると、ご飯は電気炊飯器で炊かれ、白菜などの味噌汁と、ゆで卵が殻を剥いて二つ置いてありました。その味は私が薄味であることを知っていることから、薄味の美味しい味噌汁でした。日々の生活の中では、朝食はお互いに干渉せずそれぞれ食べます。昼食は社員と一緒に外食し、夕食は仕事の都合でまちまちです。

 私は、この日のように体調が悪いと、食事をとらずただ寝ているだけだということを知って、朝食を作ってくれたのです。このよう社員が朝食を作ってくれますと涙が出るほど嬉しくなります。今回はその量が多かったことからお昼ご飯にも頂きました。この社員が作ってくれた食事の御陰で早く元気になりました。

 この社員の姿を見ていますと、やはりお父さん、お母さんの躾が、とても大きく影響していると考えます。私の子供は父親の誕生日には何もプレゼントはありませんが、この社員は「今日はお父さんの誕生日ですから。」と言い、仕事の都合がつけばプレゼントを買って帰ります。

 ここで反省です。“孝行をしたい頃には親はなし”と言われますが、私自身「親孝行をしたか?」と問われれば、心配ばかりかけて親孝行はしていません。亡き両親に今から親孝行は出来ませんが、せめて世の中のお役に立てる仕事をし、ご恩返しをしたいと思います。

 “賢人子供から学び、愚人賢人から学ばず”と言われますが、今回は親子ほど違う社員から、素晴らしいことを学びました。』