「立派な大根ほど間引け」

『4月2日の日経産業新聞「眼光紙背」の欄に「立派な大根ほど間引け」とありました。「その通りだ!」と嬉しくなりました。その内容は「畑に種をまくと、いつの間にか育ち具合に差が出る。栄養を独り占めしている太くて立派な大根を引き抜くと、今度は残った小さな大根がむくむくと成長し初めるという。」企業も同じで有能な管理職の人事異動必要性を説いてありました。

活性化に取り組んだ会社で、30年以上わたり勤務してみえる、総務課長がみえました。この課長が定年退職されることから、業務の引き継ぎを行うことになりました。長年にわたり業務を担当されていたことから、この畑には、太い大根が一本育っていました。「この方が退職すれば事務業務はガタガタになるのではないか」と特に経営者の心配は大変なものでした。

さあ!退職まで後5ヶ月しかありません。まず後任の総務課長を選任し、その新総務課長を中心に、事務社員全員で総務管理システムの構築に取り組みました。まず各業務の業務プロセス一覧表を作成し、業務の流れを明確にしました。次に業務を詳細に解るようにするために、各業務の作業手順書の作成を行いました。そして3月末日に完成しました。全ての業務を文章化することで、引き継ぎは完全に行うことが出来ました。

なぜ完全か?その理由は、前総務課長に退職後、業務の問い合わせを一回もしていないからです。私は大きな大根が育つことは決して悪いことではないと考えます。いかにしてむらなく良い大根を育てるか?そのためには、仕組みの構築が必要不可欠です。今団塊の世代の退職が大きな社会問題になっていますが、この問題も仕組みを作り、文章化することで多くは解消出来ると考えます。』