“なせば成る なさねは成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり”

『なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり”この言葉は、江戸時代中期の名君と言われた米沢藩山形県)九代目藩主上杉鷹山のものです。アメリカの故J・F・ケネディ大統領が、日本人記者団から、もっとも尊敬する日本人は誰か?という質問を受けた時、「ウエスギヨウザン」と答えたといいます。

私はこの上杉鷹山の生き方に感動し、ぜひ一度米沢に行きたいと願っていました。その願いは平成5年10月に山形市石巻市米沢市商工会議所主催のセミナーの講師として招かれ、長い間の夢が叶いました。このセミナーが始まる前に、上杉鷹山が祭れている上杉神社にお参りに行き、宝物館も見学しました。

そこには「伝国之辞(でんこくのじ)が展示されていました。「1.自らの利益のために国家を用いてはならない。2.自らの利益のために人民を用いてはならない。3.人民のために君主があるのであり、君主のために人民があるのではない。」江戸時代という封建社会の中で、現代の民主主義思想の考えのもとに、藩改革を進めたことは本当に驚くばかりです。

この上杉鷹山の考え方は、企業活性化にも通ずるものがあります。この伝国之辞を企業に直すと次のようになります。「1.自らの利益のために会社を用いてはならない。2.自らの利益のために社員を用いてはならない。3.社員のために社長があるのであり、社長のために社員があるのではない。」

経営者にとっては、少し耳の痛い話しです。私もいかにこの上杉鷹山の考え方を実行出来るか、“なせば成る……”の通り、出来ると信じて、何事にも真剣に取組まなければならないと痛感しています。』