「私達大人の意識が変わらなければ?」

『国母選手の件で“子供叱るな来た道だもの、年寄り笑うな行く道だもの”とう仏教説話(?)を思い出しました。なぜこれだけ国母選手や元横綱朝青龍のマナーがメディアで騒がれるでしょうか?。その前に私達大人(指導すべき立場の人)が、この仏教説話の意味を、しっかりと考えなければ、ならないのではないでしょうか?。

私は今から十数年前の、新入社員研修で次のようなことを経験しました。その経験とは、私が3日間の新入社員研修の講師をした時のことです。高卒の一人の新入社員が、短ラン・ぼんたんの学生服で、頭は真っ赤に染め、入社式に出席し、引き続き行う新入社員研修にも参加しました。(この会社では、入社式には、高卒者は学生服となっていました。)私は入社式が始まる前に、総務課長にこんな質問をしました。「総務課長、この方は、面接の時どんな服装でしたか?」「別に今回のような服装ではなく、違和感はありませんでした。入社式にこのような服装で出席するとは、想像もしませんでしたので、本当驚きと困惑しています。」

そして入社式は終わり新入社員研修を開始しました。第1日目は、社会人と学生との違いや社会人としてのマナー等について研修を行いました。そして2日目の朝、目を見張ることが起きました。お騒がせの新入社員が、髪を真っ黒にし、短ラン、ぼんたんの学生服は元の姿に戻し、少し、はにかみながら、研修会場に入って来ました。

私はこんな質問をしました。「昨日の研修で何か気づいた?。」「はい。働いてお金を貰うことを軽く見ていました。僕が家に帰るなり、“お母さん学生服を直して”と言うと少し涙を流していました。徹夜して直してくれたのだ思います。」本当に嬉しそうに話しました。私が、もし研修の始まる前に、この新入社員に髪や服装のことを、注意していたら、まず反発し、研修も上手く行かなかった可能性があります。

当社の意識改革の柱は“他人を変えることは出来ない。しかし己が変われば他人は変わる”です。いかに相手の気持ちになって話し、相手の心を開き、間違いに気づかせるかです。今回の国母選手・元横綱朝青龍の件も、自らが気づくような、指導をしなかった指導者と共に、私達大人と社会に大きな責任があると考えます。今回の件は、現代社会の縮図ではないでしょうか。』