「銀行亡国:再建放棄が日本をつぶすを読んで」第1回

 『日経ビジネス2009年12月14日号の「銀行亡国:再建放棄が日本を潰す」を読んで考えさせられることが多々ありました。私も33歳まで信用組合に勤務し、多くの企業の再建に取り組み、今も経営コンサルの業務の中で再建に等しいレベルのことまで取り組んでいます。いかにして企業と金融機関が共存していくことが出来るか、それが日本経済を成長させる大きな力になることは間違いありません。しかし現状として金融機関は財務省の指導の基、自社の資本比率等ばかりに眼を向け、顧客である企業にちゃんと眼を向けているかというと、少し疑問に感じるところがあります。

 私のメインバンクの理論は「規模に見合ったメインバンクとすること」です。時として企業の経営者の見栄から都市銀行をメインとするところを見受けます。私のお客様も同様に規模に見合わず、都市銀行をメインとしてみえました。私の経験では売上高が10億円以下であれば信用金庫、100億円までであれば地方銀行、それ以上になれば都市銀行という考え方を持っております。そして必ずサブメインを作り、そのサブメインは都市銀行がメインの場合は地方銀行をサブメインとし、地方銀行がメインの場合は信用金庫等をサブメインとすることを薦めております。その理由は地域の密着度に基づいた金融機関を選別するからです。たとえば地方銀行・信用金庫等の場合、その企業が窮地に陥った場合、地域の経済にも大きな影響を及ぼすことから、無闇に会社更生法などによる処置を執ることはできません。』