「人生は出会いで決まる」第12回

「人生は出会いで決まる」

『事務所で倒れて4日目に出勤しました。出勤して驚いたことは、正門前で何十人と云う社員が拍手で迎えてくれたことです。「下里総経理。お帰りなさい。お帰りなさい。」と大変な騒ぎです。そして握手を求めて来ます。今まで社員とあまり握手をすることがありませんでしたのでより驚きです。一部のライン長には涙さえ見えました。工場内に入れば「下里総経理お帰りなさい。」の嵐です。この時思いました。「これで中国の仲間と心を一つにすることができた」と、私も目頭が熱くなりました。もし倒れた次の日に日本に帰っていればこのような大歓迎はしてもらえなかったと思います。この日から工場内の雰囲気は大きく変わりました。明るい笑顔で「ニーハオ」と互いに大きな声で挨拶出来るようになりました。そして生産高は日に日に目を見張るばかりに増加して行きました。「互いにこの時を待っていたんだなぁ」とつくづく実感しました。国境を越えて仲間同士一つになれたその感動は、今も忘れられません。』