卒業 26. 総経理就任

活性化に入り暫くすると、又大きな問題が発生しました。それは「何故コンサルタントの指示に従わなければならないのか?」という、私への不信感が生まれたのです。その要因は、北京や上海などの都市部では、コンサルタントという職業はあったと思いますが、地方都市ではまだコンサルタントとは、どんな仕事をするのか?が、理解されていなかったのです。

それを解決する方法として、オーナーが総経理(社長)を辞任され、私が総経理に就任することになりました。

コンサルではなく社長として先頭に立って、活性化に取り組むことになったのです。活性化を成功させるには、これしかないと覚悟しました。

この頃は、地元でも活性化の仕事をしていましたので、中国を行き来しながら活性化を進めました。

総経理として、ヒアリングを進める内に、従業員の一番の要望は「給料を上げて欲しい」ということでした。そこで閃いたのが「樽」でした。全従業員を10のブロックに分け、食堂で3時間の全社員研修を行いました。

この時渡したのが「願夢成真」と書いたピンクのファイルです。名前は董事長に書いていただき、裏には「人生稲の如し実りの秋を信じて歩む」と、私の座右の銘を書きました。

このファイルも大きな効果を上げました。不足したファイルを、上海市の日系のデパートに買いに行きましたが、驚くことにその値段が日本円で2.000円でした。この頃の従業員の給料は月3.000円でしたので、本当に大切にしてくれました。

研修で一番大変だったのが、研修資料の作成です。まず「意識」など誤解を招くような言葉を使わないように、本当に気をつけて作成しました。

この日本語で作成した資料が、どんな風に中国語に翻訳されるのか?全く分かりません。ただ問題が発生しないことを祈るばかりでした。

   役割を 教えるよりも 総経理

    先頭立ちて  道を拓きて

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東海北陸道PAで野良猫が日向ぼっこをしていました。