船の旅 1.揚子江

今までに一番船に乗って、思い出に残っているのが、29年前に日中合弁会社の活性化で乗った「揚子江のフェリー」です。この揚子江は対岸まで30km余りあり、この当時渡るのに3時間ほどかかりました。

初めて揚子江を渡る時は、満月が光り輝き迎えてくれました。文化も言葉も違う中国で果たして、活性化は成功するのか?夢としていた海外での期待と不安が入り混じり、言葉では言い表すことが出来ない心境に陥りました。

このフェリーで一番驚いたことは「トイレ」です。大小兼用となっており、奥行き5m、幅1.5メートルほどの中に便器がありますが、仕切りはなく、8〜10人ほどが一度に入り使うのです。水洗トイレにはなっていましたが、流れが悪く酷い悪臭が漂っていました。

まず仕切りの無い所で使用したことがありませんでしたので、羞恥心が先に立ち使うことをためらってしまいました。しかし、何回か乗るうちに慣れ、羞恥心も消え失せてしまいました。

このフェリーに乗ったことで「その国の文化に早く馴染むこと」「羞恥心を時には捨てなければ生きていけない」ということを学びました。

さて29年を経て、この揚子江を渡るフェリーのトイレは変わったのでしょうか?変わったとしたら、どのように変わったのでしょうか?こんなことを思い浮かべながら、懐かしい揚子江の船旅が、走馬灯のように流れていきます。

f:id:swnm8:20230329200215j:image